2010年11月26日金曜日

納豆って自分で作れるの?

9月に稲刈りをし、先月は美味しい新米をいただき、そして今月はその稲の副産物を活用したものづくりに挑戦です。

まずは納豆づくり。束にした稲わらを沸騰させたお湯で煮て、その中に煮大豆(本当は蒸したほうがいいらしい)を入れて40度くらいに保温します。翌日には糸を引いてうっすらと納豆の匂いが・・・。納豆ってこんなに簡単に作れるんだ、と一同感動。それにしても、最初に食べた人はきっとアクシデントでできたものを捨てるのがもったいなくて食べたに違いないけど、勇気があったよねと感心することひとしきり。

外ではもみ殻燻炭づくりもやりました。ドラム缶の中で火を焚き、もみ殻燻炭機をかぶせてその上に籾をざっと入れます。去年は畑で野焼きをしましたが、ずっと注意して見ていないと一気に灰になってしまうし、風の強い日にはできません。この方法だと、割と放ったらかしておいても大丈夫。3時間くらいでだいぶ炭化してきたので煙突をふさぎ、水を注ぎました。


燻炭したもみ殻は多孔質で土中に入れると微生物の住処になり土の微生物相を豊かにします。ケイ酸やミネラルが豊富で、作物の耐病性を高める効果もあるそうです。ここでは畑の粘質土の改善や、育苗培土に活用します。

美味しいお米を食べて終わりじゃない、残りをゴミにするなんてもったいない!あますことなくその資源を活用した先人の知恵に感謝ですね。


最後は稲藁でしめ縄づくりでしめくくり。昔は男たちの仕事だったとか。北海道で売られているしめ縄は材料にスゲが使われていますが、開拓初期、稲作を行っていなかったころ湿地に生えているスゲで作った名残だそうです。自家製稲わらの手作りしめ縄を飾って迎える新年は気持ちよさそう。これですっかり年の瀬の気分になってきましたね。


その他、大根と鮭の保存食にもチャレンジしました。大根は思ったよりも大きく育たなかったので漬物を諦め、切干にしました。鮭は前の週、オホーツクで釣った魚(オス・メス)をいただいたものです。譲ってくれたのは最近お友達になった小樽の釣り具屋さんで、ハイシーズンには一日で100匹近く釣ることもあるというので、来年はぜひ海の幸と畑の幸を交換するイベントをやりましょうと盛り上がっています。マジメに素晴らしいエクスチェンジだと思っています。
今回は、下した鮭をタレに漬けて一部はスモークに、残りは寒風に干してトバにすることにしました。猫やキツネに取られないように悩んだ結果、2枚の網戸を使って干しました。上手にできるかな?

2010年11月24日水曜日

映画「不安な質問」

レイさんの講義に続いて、先月の座学「自給の意味」をお話いただいた明峯哲夫先生のお薦め映画「不安な質問」を鑑賞しました。何を隠そう、明峯先生らが1970年代に茨城で取り組んだ「たまごの会」のドキュメンタリー映画です。

自給農場を作ろうと、茨城の農村に松林を切って開墾し、家を建て、共同生活をしながら野菜やコメを作り家畜を飼い、東京の会員宅に配送する。東京の会員は彼らの生産したものをあますところなく食べてその残飯を返す。そんな生活が生き生きと描かれています。豚の頭を美味しいねと食し、山のような残飯が大なべでぐつぐと煮られて豚の餌になるシーンは圧巻です。

この農場では、レイさんの言う「生産者と消費者の壁」がないことに気づきます。両者は互いに相手がいないと成り立たない存在であり、栽培から経営のすべてを共有しています。健康食品の店で有機野菜を買うだけでは、まだまだ消費者としての立場を変えることにはならない。より積極的に一歩踏み込んで生産の現場に近づくことが重要。そして、出来上がったものを工夫しながら上手にいただくために都市住民がライフスタイルを変革していくことが必要だと感じました。

2010年11月22日月曜日

持続可能な食と農(エップ・レイモンドさん)

体験塾最終回の座学講師はエコビレッジがいつもお世話になっているメノビレッジのエップ・レイモンドさんでした。レイさんは、メノナイト教のコミュニティで育ち、若いころ、急激に大規模化するアメリカの農業がコミュニティの人間関係や地域の自立を崩壊たらしめる様子を見て、その在り方に強い疑問をもち移住を決意しました。現在、家族や会員さんに支えられながら長沼町でCSA(Community Supported Agriculture)を営んでいます。

「15年前にこの土地にやってきたころは、言葉もわからず肥料袋の表示も読めず苦労したけれど、近隣の方にいろいろと助けてもらった」レイさんは当時を振り返って話します。いい農家になるということは、作物を上手に作ることだけでなく、隣人といい関係を作ること、そして社会をよくしていく活動に携わることも重要だと、地域の交流行事や市民活動にも積極的です。

「農家は食べ物すなわち人間の生命の源を作る人。農地は自然や他人との関係をどうやって育んでいくかを学ぶ大切な場所」。だから、農家を商品を生産するという役割で括り、食べる人を消費者と呼んでただ「買う」人にしてしまっている現在の消費社会に大きな抵抗があるとレイさんは言います。
また、農地は食べ物を恵んでくれる場所であると同時に、様々な人の出会いや学びの場でもある。だからメノビレッジでは、研修生やボランティア、幼稚園児、近隣の人々などいろいろな人を気持ちよく迎える場所にしていきたいとも話してくれました。

さらにレイさんは、近代の政治や経済が、小さな地域単位の文化や個々の人間の幸せをまるで無視した全体主義的な発想に基づいていることを指摘。伝統的なかつての地域の文化や人々の知恵は、世代から世代へ暮らしの中で経験的に受け継がれていましたが、今ではその流れが閉ざされ、効率という視点だけで全体を画一的に統治しようとする政治の影響で、意識的にそれらを継承しよう、育てようと思わなければ完全に失ってしまいます。

最後にレイさんは、問題に異議を唱える反対活動も重要だけれど、一方で日々の生活の中でそれらにどうやって対応しながら、自分が現実的にどうよく生きていくかを考えることも大事であることを強調しました。毎日の生活の中で意識しながら隣人や地球とのいい関係を築いていくこと、それがよい社会を作ることであり、よい政治の基本だとレイさん。メノビレッジの人びとが作物を作ることは、まさにその繰り返しなんだなあと、感心させるお話でした。

2010年11月2日火曜日

収穫祭、大盛況

青空に恵まれた10月最後の日曜日、エコビレッジの収穫祭が行われました。

オープニングでは、今年の体験塾やHEPPの取組を報告し、畑や田んぼでの栽培に初めて挑戦した会員さん方から感想をいただきました。展示されている写真やコメントからも、半年という短い間にたくさんの発見や感動があったことがわかります。

今年も、お料理は豪華版です。米、野菜はすべて自家製。手作り料理がずらりと並びました。「具がなくてもご飯(おにぎり)だけで美味しい」「野菜が甘い」と大好評でした。手作り味噌(今年1月仕込み。本日初賞味)の鍋はあっという間に売り切れて、食べられなかった方、ごめんなさい!

姫武将の装束は、松前で地域興しのお手伝いをする「田舎で働き隊(農水省)」の研修生です。今年の収穫祭では、道内各地(松前、三笠、士別、東川、中頓別)の研修生たちが、準備や当日の運営に協力しながら、ご当地クイズやクラフト体験ワークショップでイベントを盛り上げてくれました。
そのほか、外では足踏み脱穀・唐棹脱粒の体験コーナーに、あんちゃん得意の羽釜クッキング。中では坂本先生ご夫妻が本格的な野点もしてくださいました。オーガニックお菓子やパン、フェアトレード雑貨の物販、占いなど中も外も大賑わいでしたね。

午後は屋外で音楽ライブです。この日は、奇跡的な温かさに恵まれ、みな爽やかな秋空と音楽をぞんぶんに楽しみました。地元長沼町内からは、アイヌやアボリジニの先住民楽器演奏と、アメリカ南部発祥のブルーグラスの2組。田園風景にばっちりハマった素敵な演奏でした。ススキノから駆けつけてくれたジャズギター&ヴォーカルには思わず道行く人が足を止めて聞き惚れていたし、ステージの最後を飾った「萌木女学院」は、田園風景にはおよそマッチしない異色なコスチュームとパワフルなパフォーマンスで、この日最高の人だかり。 子どもから大人まで手を振って一緒に盛り上がりました。

収穫祭の最後は今年1年のプロジェクトをまとめたフォトムービーで幕を閉じました。思い返せば4月のまだ冷たい風の吹く中、がちがちの土を起こして畑開きをしたんだな~。部屋が寒くて苗が育たず、こんなんで今年は実りがあるんだろうか、と不安に思ったことを思い出しました。ビートルズの曲に合わせて1年(半年)のシーンを振り返りながら、こうして収穫を祝うことができた嬉しさに、思わず涙が出そうに・・・。

ここまで共に活動を育ててきた仲間たちをはじめ、いろいろな場面で支えてくれた地域のみなさんに心から感謝します。ありがとうございました。来年もよろしくね!

2010年10月26日火曜日

1024 明峯先生講演 「なぜ私たちは自給するのか」

趣味の家庭菜園やガーデニングは確固たる市民権を得ている証拠に、書店に行けば一般向けの本がずらりと並んでいます。農業者向けの研究データや専門書も、探せば当然あります。しかし本当に「自給自足」を目指す人のための指導書は見つかりません。その技術は、前者とも後者とも大きな違いがあるのですが、「そんな読者は奇特だから」ということでしょう。あるいはそういうことを目指す人は指導書なんか読まないのか。

私たちは通年を通してできるだけ買わなくても済むように栽培したいと考えています。「何でそんな効率の悪いこと」をわざわざするのか。週末の趣味ならともかく、「自給自足」には相当の時間消費が要求されます。「買ったほうが安いでしょ」何度も言われますが、はい、その通りです。口の悪い人には「貴族趣味」と冷やかされます。

確かにスーパーに行けば大抵のものはあるし、百貨店やネットで探せばもっと特殊なものも手にはいる時代です。では何故。自分や家族の健康のため、と答える人もいると思いますが、エコビレッジでは「自給」の社会的な意義について深く考えたいと思います。

今月の座学では、このテーマについて、明峯哲夫先生(農業生物学研究室主宰)に講演していただきました。
1974年、石油パニックの真っただ中、茨城の農村地帯に反近代化を唱って「たまごの会」の自給農場はスタートしました。東京周辺の約300世帯の都市住民が自らの食べ物を自給すべく共同出資をし、経営のすべてに関わり、届けられる野菜と引き換えに生ごみを提供したのです。当時、有機農業はまだ認知される由もなく、農場コミューンは、地域からも相当異質なものとして見られたに違いありません。しかしながら、その中から一人、また一人と就農者が現れ、地域の生産者も少しずつ有機栽培を始めるようになり、今では関東周辺の有機農業をけん引する存在となっています。

先生は八郷を離れた後、81年に東京日野市で30アールの畑と水田10アールを借りて「やぼ耕作団」を立ち上げられました。東京の駅前の一等地で、10家族のメンバーが食べる野菜はほぼ完全に自給されたそうです。大豆は味噌に、小麦は乾麺に加工し、東京で唯一頭のヤギを飼い、生ごみや落ち葉で堆肥を作りました。
先生は「田を耕すことが自然の循環に連なることを学び、過度に工業化した近代の都市生活の歪に気づく。そして農の力を実感した都市民が、主体的なまちづくりに関わったり、農村に移住したりするきっかけとなる」と言われます。
「社会の異物として存在し続けること、ただし地主さんや地元生産者など地域の協力者を得るための努力も大切」とも言われ、地域との関係性のポイントについて指摘されました。

たくさんの日本人が自ら耕すようになったら、日本の都市の子供たちに笑顔が戻り、第三世界の人々の生活も改善されるかもしれません。
「闘いは楽しくやること。相手に羨ましいと思わせたら勝ち」

耕す市民革命は時間がかかるけれど、楽しそうで恰好いい、改めてその魅力の深さに感激するお話ででした。

2010年10月25日月曜日

1023 炭焼き体験

先日もらってきた公園街路樹の廃材で炭焼きをしました。炭はバーベキューの燃料はもちろん、住居の調湿などにもよく使われていますが、実は畑の土壌改良にも大変効果的です。孔隙が多く、保水性・通気性の確保に役立ち、微生物の棲み家となって、土を豊かにするとか。

この日は伏せ焼きといって、掘った穴に燃材を入れ、トタンで蓋をして焼く方法に挑戦しました。下川の森林組合の友人に教わりながら、穴(幅70cm、長さ1.5m、深さ30cm)に薪を密につめ、煙突を斜めにつけます。最初はせっせと煽いでもあまり燃えないので、煙突を長くして空気の流れをよくしたら濃い煙が勢いよく出るようになりました。煙が70度くらいになったところで、木酢液がぽとぽとと落ちてきたのでこれも集めました。木酢液は土壌改善はもちろん、外虫駆除や肌トラブル改善などいろいろな用途に使えます。

その後、温度が上がるのをまだかまだかと待つこと約2時間。炭化するためには煙が透明になるまで温度を上げる必要があるのですが、日暮れでタイムアウト。(80℃を少し超えたくらいか)そのまま通気口を閉じて煙突を完全にふさぎました。

翌朝わくわくしながらトタンを外すと・・・うーむ、前半分は炭になっていましたが、奥のほうはまだまだ炭化していません。やっぱり温度の上がり方が足りなかったということですねえ。焚き口を大きくして薪を増やすか、焚き口から煙突に向かう煙の道を十分に確保してやる、などの対策が考えられます。今回は残念な結果でしたが、この方法だと穴を掘るだけで特別な資材も要らないし、ゆっくり時間をかければいつでもできそうな気がしました。

何度かトライしたら上手にできるようになるかな。

2010年10月11日月曜日

1010 お米の脱穀

2週間前にハサガケした稲。この日の水分測定では18%前後で、農協の乾燥基準(15~17%)から比べるとまだ高かったけれど、長期保存しない自家用米なら十分という判断して脱穀しました。

ちなみに杭掛けのほうが乾燥はベターであることがわかりびっくり。この掛け方、コストも労力も資材もかからない優れものですね。1本(2,7メートル)でおよそ1畝分のお米が乾燥できました。


全体の7割をメノビレッジの機械で、残りは持ち帰って小型脱穀機(足踏みとモーター付の両方)で脱穀してみました。
脱穀にはそれほど時間もかからないのですが、ゴミを取り除く作業が大変です。唐蓑を使って何度も繰り返し除去しました。
大型機械の後に行うこの作業は、さすがに効率が悪く思えますが、きっとこんな機械も最初は活気的だったんだろうね、と話題ひとしきり。
みんなで輪になって、楽しくおしゃべりしながらやれば、こんな作業もさほど辛くはありません。大勢でやる強みを活かして、小さなスケールの栽培技術をレベルアップしたいものです。
部屋に入れた籾の袋。去年はネズミ害に怯える日々でしたが、今年は猫も登場して準備万端(?)です。きっと大切な新米をしっかり守ってくれるでしょう。
籾摺りが待ち遠しいです。美味しい新米をいただくまであと一歩!

1010 畑の教室

今日の畑の教室は坂本先生に最後の講義をしていただきました。

今年の恵子ガーデンは豊作だったそうで、トマトは現在12段目を出荷、インゲンも下のほうは2回目を自家用として収穫されているそうです。自給生活をベースにした農園では、一度に大量に収穫する農家の技術とは異なり、細く長く収穫しながら、さらに保存や加工で長く楽しむ工夫が必要です。どんな栽培方法でも、土と水と太陽があればそこそこに育つものですが、先生は「作物の命を最大限に引き出してあげる」ことが大事とおっしゃいます。たくさん獲ろうとして肥料をがんがん与えるということではありません。外からはほとんど加えることなく、土中の微生物の働きやそれらのつながりに着目し、作物の必要としている最低限のサポートをしてあげることで本来持っている作物の生産能力が目いっぱい発揮させてあげるのが自然農の考え方です。

そうは言ってもモノを言わない土や植物に一体どう接すればいいのか、何度聞いてもつくづく難しい・・・。先生のお話をただありがたく拝聴して終わりにするのではなく、私たちも実践者の1人として、研鑽を重ねて少しでも上達したいと思います。

2010年9月27日月曜日

0926 待望の稲刈りです!

今日はいよいよ稲刈りの日です。

今春は低音で苗の育ちが悪く、田植えが遅れたばかりか、その後も分けつ(茎基部で枝分けをすること)が進まないという厳しいスタートを切りました。ところが7,8月の予想外の猛暑がみるみるうちに稲を成長させ、全道的に豊作という噂ですが果たしてどうでしょうか。メノビレッジでは昨年並みという坪刈りの結果が出ており、私たちの田んぼも実際の収量は最後までわかりませんが、とにかくどれだけ獲れても大切に育てた稲は可愛いものです。

当日は、前日の寒空が一転してぽかぽかとした天気になり、気分よく作業ができました。誰の行いがいいのか、青空すら顔を出し冗談も出るほどの余裕です。稲藁を使って束を縛るのも、慣れれば簡単。みんな上手に縛れるようになりました。

思い返せば、昨年は、陽が沈んだ後も車のライトで照らしながら、寒い中頑張ったことが嘘のようです。予定より大幅に早く終わり、札幌から届いた美味しい昼ご飯をゆっくりと味わいながら食べることができました。今年は、昨年の苦労を反省に、面積を3割くらい減らしたのですが、それにしても全体的に非常にスムーズな進行だったと思います。前はハサガケの方法が最大課題だったので、今年はいろいろと協議と研究を重ね、準備万端で臨んだのが勝因でしょう。

掛けとか棒掛けという東北地方の伝統的な方法にも挑戦しました。この妙な掛け方で果たして上手く乾燥できるのかしら?という不安も若干ありますが、自分たちの環境(自然や人的、財政的な条件)にあわせて、最も環境に負荷をかけずに効率的な技術を編み出す、それが体験塾の目的です。いろいろ試してだんだん上手になりたいものです。


最後は美しいハサガケの前で記念撮影。みんな満足気ないい笑顔ですね。

2010年9月22日水曜日

0920 ハーブの使い方いろいろ

夏の間中私たちの目と胃袋を楽しませてくれたガーデンもそろそろ終わりに近づいています。かぼちゃ(プッチーニ)も全部収穫しましょう。お昼に天ぷらにしたら甘くて美味しかったです。マリーゴールドやブルーサルビアはまだ蕾がたくさんついているので、すっきりと整枝してやりました。こうすればまだ1ヶ月くらいはきれいに見られる状態を維持できます。

問題は茂りに茂ったハーブ類です。レモンバームはばっさりカットして、お茶用にドライリーフを作りました。いらいらに効果的だそうです。ローズマリーは鷹の爪やにんにくと一緒にオリーブオイルに漬けると魚貝類や肉の香りつけに最適。一日に一度「おいしくな~れ」ち瓶を振るところがミソとか。タイムは殺菌力が強いのでミントと一緒にドライを粉にしたものに塩を加えて歯磨き粉にするといいそうです。カレンジュラも乾燥させてオイルで抽出すれば、火傷や皮膚のただれの特効薬に。
1年間せっせと草取りしたスギナは、リカーに漬けてスギナの化粧水を作りました。ちなみに、私は左腕だけに毎晩つけていますが、しっかり美白効果が現れています。カモミールを加たら気分も落ち着きそう・・・。スギナはきれいに乾燥させるのが難しいけれど、文字通り余るほどある資源で美しくなれるなら最高ですね。
え?その前に、ちゃんと日焼け止めを塗れって?

2010年9月19日日曜日

種取り物語

体験塾の畑コースでは、4月から「タネ」を大きく取り上げてきました。『園芸教室』とは違いますから、「どのような種が良いのか」とか「上手く発芽させるにはどうしたらいいか」といった、「栽培する側(人間)の観点」から見た栽培技術だけでなく、「植物にとって種子や発芽がどのようなものであるのか」を一緒に学んできたつもりです。さらに、「在来種」や「固定種」と「F1品種」「一代交配品種」の違い、何故自家採種を大事に考えるのか、などについても考えてきました。

今回の畑実習では満を持して「種取り」を行いました。
アブラナ科など二年草のものは難しいため、トマトやキュウリなどの果菜類のみの採種です。 採果してから10日ほど追熟させた実を割って、ゼリーに包まれた種子を取り出します。本当はしばらく発酵させた方がゼリーを洗いやすいのですが、十分熟れているので大丈夫と考えてトマトについてはそのまま選別(水に浮いてくるものを除去)し、洗って乾燥させました(キュウリのゼリーはやはりそのままでは取れなかったので、2日後に洗いました)。

豆類はもちろん、果菜類の採種も意外と簡単です。難しい技術はいりません。もちろん、タネ用にする株や実を選んだり大事に熟させたりという手間はありますが、ちょっと注意すれば誰にでもできることですし、自家採取を繰り返すことで自分の畑の環境や土壌に合う品種、自分の好みに合う品種を自分で固定していくことができます。

今回の種取り実習ではトマトの種を乾燥させるところまでしかできませんでしたが、畑コース終了時には、今回エコビレッジライフ体験塾の圃場で育てた作物のタネ(キュウリ、ナス、ピーマン、豆類など)をそれぞれお持ちいただく予定です。

にゃんこ登場

                 
コモンハウスに猫が来ました。

無類の猫好きの私が、冬場のネズミ対策という言い訳をしてもらってきたのです。まだ2ヶ月くらいの子猫で、コウちゃんとトッチ君と名づけました。二人とも美形でしょう?

コウちゃんは好奇心旺盛。やんちゃで人懐っこい性格。トッチ君は警戒心が強く、押しが弱いためにご飯も玩具もコウちゃんに取られてしまうのですが、二人はとても仲良しです。トッチ君は最初は触れさせてくれなかったけれど、だいぶ懐いて今では抱かれるようになりました。

二人ともネズミ退治、頑張ってね!

収穫の秋

今年は夏が長く、珍しくこの時期になっても果菜類が好調です。トマト、ズッキーニ、ナスがまだまだ生っていて食べきれないくらいです。キュウリもここに来てやっと終わりの気配ですが、今年は嫌というほどキュウリを食べました。

馬鈴薯は昨年、疫病にやられて7月末に全滅した苦い経験があります。今年は9月に入っても葉っぱが青く、じょじょに収穫していますが、去年は特別に多雨だったからか、今年は畝をたてたのがよかったのか、腐れは少ないようです。もっとも今年は春先の低温でまだ根が十分でないうちに一気に高温になり、成長がうまくいかなかったらしく、大きくても中が空洞になるなど、プロでも不作の噂が聞こえています。粘土質のこの辺りの土壌では、そもそも馬鈴薯は向いていないとも言えるでしょう。

かぼちゃも、繁茂した葉に比べて実の数は少ないですね。受粉がうまくいかなかったのでしょうか。F1から育てた3代目かぼちゃなので色も大きさもまちまちです。果たして味はどうでしょうか。(ウチの農場長曰く、味は二の次、まずは保存性で選ぶのだそうですが・・・)
同じくとうきびも、高温障害なのか、粒が揃わない、先まで実が入らないという傾向が見られます。でも、小さくても多少歯が抜けていても、食べたら美味しいから許しちゃいますよね。

0919 稲刈り準備

今年もいよいよ稲刈りの季節を迎えました。近隣農家では、例年より10日以上早く、9月半ばから稲刈りが始まっています。今年は豊作という周囲の評判ですが、さて私たちのお米はどうでしょう。

エコビレッジの田んぼは手刈りで天日干しをします。昨年は初めてのハサガケの立て込みに大変苦労しました。というのも、わずか1反の田んぼと甘く見ていたらとんでもない、全体で約800キロ(籾摺り後重量で約400キロ)の重量の稲藁を乾燥させるのに、どういう構造のものがどのくらいの延長必要なのか見当もつかず、途方に暮れることになったのです。ネットなどで調べる限りでは、地方によっても形状は様々で、その土地の気候風土に最も合ったものが作られていたのでしょう。結局、いろいろな人の話を聞きながら、手持ちの資材を組み合わせて、何とか落とさず倒さず乾燥することができましたが、課題も残りました。

今年はその経験を踏まえて、事前に検討を重ね、単管を使ってハサを建てました。棒掛けとか杭掛けと呼ばれる方法にも挑戦します。秋田など東北地方の一部では伝統的な方法だとか。こんな単純な掛け方でちゃんと乾燥するのかちょっと疑問ですが、様々な手法を参考にしながら、私たちの環境(自然、人的、財政的な条件)にあった、最も環境負荷の少なくて効率のよい方法を編み出すのが体験塾。いろいろ試してベストな方法が見つけたいと思います。

2010年9月2日木曜日

0829 「鶏を食べるまで」

29日(日)の総合コース実習では、鶏の「屠蓄」と「精肉作業」を行いました。参加者はちょうど10名(+子どもが2人お手伝い)。メノビレッジさんから、卵をあまり産まなくなった鶏を10羽いただき、生きた鶏を食べられる「お肉」の状態にするまでを体験したのです。


「是非体験してみたかった」という方から、できるかどうか自信がなく「参加すること自体迷った」という方、「見るだけにしようかとも思った」という方など思いは様々でしたが、結局全員がすべての作業を行うことができました。

1羽目の首を落とす瞬間には、当然、かなりの緊張感が参加者を包みました。吹き出す血、なかなか息絶えずに動き続ける鶏の体。首を落とす役と鶏を押さえる役が順にまわってくるのですが、押さえている間の鶏の温かさや筋肉の動き、悲鳴など、まさに“生きているものの命を奪った上で私たちは日々食べている”という当たり前の(けれども日常では触れずに済ましている)現実をあらためて突きつけられたように思います。 思わず祈ったり、「ごめんなさい」という言葉が口をついて出た方もいましたが、生き物の命を絶つ場面では自然な行為だと思いました。
一方で、数をこなすうちに慣れてくるという感想もありました。

血抜きした鶏を熱湯につけて、羽をむしります。その段階で“鶏の死体”は、普段見覚えのある“鶏肉”に近づきました。その後の体から内臓を取り出す作業は、体内の仕組みを学ぶ貴重な機会でもありました。そして、最後はそれを“もも肉”、“胸肉”、“ササミ”、“手羽”、“ガラ”に分けるのですが、これがなかなか難しく、上手に刃物を入れないとキレイなお肉にはなりません。うまくできずに肉がボロボロになってしまった方もいたようです。それでもなんとか精肉まで行い、手羽を燻製にして早速みんなでいただきました。


作業後に行った感想のシェアリングでは、「初めはかなり抵抗があったけれど、案外できるものだと思った」という意見が多く、「作業しながらだんだん“自然なことをしている”感覚になった」という方もいました。また、一同に「屠蓄というのが大変な仕事であり、高度な技術で行われているのだと実感した」と“仕事の技術”に視点が向いたのも興味深いところです。

まずは“知り”、体験を通して“実感する”。この積み重ねが大切だとあらためて感じた屠蓄実習でした。 ともかく、参加した全員が、“食べるために殺すことは決して残酷なことでも気持ち悪いことでもない”、と実感できたのが良かったと思います。
「こんなに大変な作業を伴うなら肉はそんなに食べなくていい」「捨てたり残したりすることはできない」「一般に販売されている肉は安易に手に入り過ぎ」という感想もありました。

この体験が日常にどんな変化をもたらすのでしょうか。コモンハウスでは、今回の実習のおかげで、珍しく“お肉三昧”の毎日です。たくさん卵を産み続けた高齢の鶏さんなので肉はやや(いやかなり)硬いのですが、ありがたく美味しくいただいています。

2010年9月1日水曜日

0829 「木の花ファミリー」からゲストを招いて公開講座

今月の公開講座は、静岡の「木の花ファミリー」から古橋道代さんをお招きしました。

木の花ファミリーでは約70人が生活を共にし、食については調味料含めほぼ完全に自給自足しています。もちろん有機です)農産物や各種加工品を宅配や市場で販売して収益を得ており、収入は全員で均等配分します。一つの財布で生活全体を分かち合い、育児や教育も家族単位ではなく、コミュニティの子どもとして育てられるなど、文字通り大きな家族として暮らしている様子に驚嘆しました。古橋さんはエコビレッジにとってもっとも大切なことはグルー(共通の価値)が明確でメンバー間で共有されていること、木の花では協調の精神と自然と共生する生き方がそれだと言います。

私有財産がほとんどない共産的な仕組み、毎晩行われる会議などは一般の人びとには極端と映るかもしれません。自我が強く、欲求が多い私などは、正直言って、自分のお金はともかく自分の時間がないことに耐えられないだろうなあと感じました。しかし、出資額や能力に関わらず、対等な関係を保ち、それぞれが満足してかつ団体としてまとまるためには、表面的な協調や依存関係では破綻するのは明らかです。実際、私が訪ねたヨーロッパのエコビレッジでも精神性で結ばれている団体、共有する部分が大きい団体ほど、規模も大きく長く存続しているという印象を受けました。逆に、自由度が高くエゴを認めようとする集団では、構成メンバーの入れ代わりが激しく、組織として安定性、発展性に欠ける傾向があります。真の信頼を築き、目標を遂行するためには、コミュニティに対する相当のコミットメントとネガティブな感情を含めて正直に表現しあえる関係性が不可欠なのだということもよくわかります
一方、緊密な関係性を目指すコミュニティでは閉鎖的になる側面もあります。木の花では、心をわずらった人を始め、一般ビジター誰に対してもウェルカムでオープンな姿勢がすばらしいと思いました。田畑の多くを無償で借りていること、新規就農者の研修の場にもなっていることから行政や地域住民とも良好な関係を保っていることが伺えます。

古橋さんはグローバル・エコビレッジ・ネットワークの日本代表やエコビレッジ・ジャパン・ネットワークの共同代表も務めており、国内外の事例にも通じており、今回は、埼玉の新しき村(武者小路実篤)のような古いコミュニティから、最近増えている建築家主導の都市型エココミュニティまで様々なレポートをしてくれました。ハード重視、ソフト重視、都市型、農村型、いろいろなタイプがあるようです。それぞれのメンバーの価値観や地域環境にあったものがそこここで立ち上がって、互いに支えあうことが望ましいのでしょう。

エコビレッジライフ体験塾では自給的生活やコミュニティに必要なスキルを学んだり情報を収集しながら、将来の実践に一歩ずつ前進したいと考えています。私は関わる人々が、創造の過程に、できるだけ最初の段階から主体的に参加し、メンバーのアイデアや希望を持ち寄った形で全体のビジョンを作りたいと思っています。私たちのグルーは何なのか、深く考えさせられた講座でした。

2010年8月22日日曜日

0820 ガーデンの衣替え

今日は秋に向けたガーデンの手入れと植え替えをしました。キャベツ類はすべて収穫、空いた場所にはスイスチャードやセージ、バナナピーマン、鷹の爪を定植しました。白妙菊のシルバーが、スイスチャードや赤シソの紅色を引き立たせて、秋らしい装いを演出しています。終わったペチュニアの後にはキンギョソウを。キンギョソウも食べられるって知ってました?
カモミールは思い切って切り戻してやりました。これはローマンカモミールで、越冬して来年も楽しめるタイプです。

「ハーブ類が勢いよく育っているので、来年は株が少なくて済みそう」と土谷さん。野菜は基本的に1年草ですが、多年草のハーブ類や花を上手に組み合わせて面を上手くレイアウトし、同時にグランドカバーとして雑草を押さえることができれば、だんだん手もかからなくなると期待しています。ガーデン全体を育てるという視点でケア&デザインしていくことが大切です。

ラブラブ?のウサギ

たびたび脱走を重ねていたチビウサギもようやく落ち着いた様子です。
お姉さん(お兄さんかわからないけど)と二人、心地よさそうに寝そべっています。

今日は大量の人参やキャベツがふるまわれたので、ウサギ達も満腹でしょう。いずれは、畦の除草に活躍してくれることを期待しています。

2010年8月21日土曜日

稲穂が垂れてきました

今年は昨年よりも春先の低温で約2週間田植えが遅れたものの、その後の例年にない高温と高湿度で稲の生育は大変良好です。病害の心配もなくすくすく育って、ご覧のとおり、稲穂が垂れてきました。指で触ってもちゃんと実が入っているのがわかります。
そろそろ坪狩りも始まる頃でしょうか。この辺りの農家は9月の半ばくらいから稲刈りが始まると聞きました。去年よりも2週間くらい早まっています。去年ははさがけでとても苦労しましたが、今年は準備万端で臨みたいと思います!

2010年8月20日金曜日

夏のガーデン


             相変わらずいい天気が続いています。北海道らしからぬ湿度と、たまにどっと降る雨がいいのか、ズッキーニやキュウリは豊作です。うっかりしているとバットのように巨大になってしまいます。キャベツも最初はアオムシにやられっぱなしでしたが、立派に巻いてきました。もうそろそろ収穫しなくちゃ。
お盆休みに小春ちゃんら何人かの友人が訪ねてくれました。日差しが暑かったけれど、ちょっと無理してガーデンでブランチをしているところです。思わず「This is life!」と笑顔が漏れる風景でしょ。

2010年8月11日水曜日

0808 恵子ガーデン見学

今日は坂本先生の恵子(えこ)ガーデンを訪問しました。約2反の畑(私たちの畑とほぼ同じ大きさ)に何と128種類の作物が植わっており、藁を敷き詰めた通路の脇には色とりどりの花々が咲き乱れています。これ、全部自家採種です。種取用のエリアはちゃんと区分けされていました。確かにこうしないと、うっかり収穫しちゃうんですよね。

驚くのは10年も連作をしていること。えっ、連作だと病気や虫が出るって教科書では書いてあったけど・・・。違うんですか?
恵子ガーデンでは、長年、微生物の世界を大切に土づくりを行ってきたため、作物も含めて多様な生物が一つの均衡に達しているのでしょうか。多雨や冷夏などの天候の変動で多くの農家が被害を受けている年も、作物たちは病気知らずだそうです。
「だって、天気は毎年違うに決まっているでしょ。暑い、寒いと被害を受けていては作物は育てられない」と坂本先生。

30年前はここもスギナが鬱蒼と生えていたとか。ゴロゴロとした礫が混じる火山灰地で、栄養分を蓄える力は著しく低かったそうです。今は硬そうに見える通路でさえ、竹の支柱を挿したら簡単にすっと入っていくではありませんか。トマトの根っこが3.5メートルも伸びる訳がわかります。
河川敷地の刈り草や作物の残渣を乾燥させて土に戻してやる、これを繰り返すだけで、他には一切外から肥料分を持ち込まない、そうやって恵子ガーデンの土は作られました。そこには壮大な生き物のつながりが育まれ、作物はその一部として支えられているのでしょう。
「それぞれの土地のそのときのステージにあった植物が生えるものです。みなさんの畑はまだスギナが必要だということでしょうね」そっか・・・トホホ・・・
ちなみに先生は1年に2回しか除草をしないんですって。自然と作物のバランスを見て絶妙なタイミングで最小限の手を入れる、これが自然農の極意なんでしょうね。
でも、先生の畑がスギナだらけだったと聞いて、エコビレッジの畑もこれから成長、変化する可能性があるんだと勇気づけられました。
それにしても、芸術的に美しいトマトです。その名も「北の雫」。坂本先生がF1品種から自然交雑を重ねて固定したオリジナル品種です。すらっとした姿と葡萄のような長い房が特徴。12段、13段まで生り続けるそうです。
私たちも昨年の引き続き北の雫に挑戦しましたが、苗づくりが上手くいかず遅出となってしまい、まだ実が色づくところまで成長していません。ハウスに定植したものは、なんらかの生理障害と思われる症状が出ています。やはり、長年露地、無肥料で栽培された北の雫には、高温多湿のハウスの環境は合わないのでしょうか。
おやつにいただいたトマトのみずみずしくて美味しかったこと!こんなトマトがいつか作れるようになりたいなあと思います。

0807 国際ワークキャンプ終了

7月26日から2週間に渡って、開催された国際ワークキャンプが終了しました。韓国、台湾、英国そして日本の若者6人が、エコビレッジのコモンハウスにステイしながら畑作業を始め、いろいろな労働体験をしました。残念ながら滞在中はあまり天気に恵まれませんでしたが、みんな泥んこになりながら一生懸命働いてくれました。おかげで畑の除草が一気に進み、ガーデンも美容室に行ったように整然としています。
彼女たち(どういうわけか、今回は全員女の子でした)が残していった土釜。試行的に作ったので、まだ改良の余地はありますが、ここの土だけでも釜ができそうだということがわかりました。今月末の総合コースのときは十分乾燥して使用できるでしょう。自家製トマトやバジルいっぱいのピザが焼けたらいいなあ。
そうそう、この間の大きなニュースはウサギを家族に迎えたことです。若者たちに手伝ってもらいウサギ小屋も作りました。可愛そうに一番小さい1匹はもらってきた晩に網目を潜って逃げてしまいましたが、他の4匹は元気です。畑の草取りに活躍してくれるかしら?

昨年お世話になったゆめみる農園に援農にも行きました。ゆめみるさんたち二人は今年から千歳に移って新しい土地で農園を開いたばかり。初年度はさぞかし大変だろうとお除草や芋の収穫をさせてもらいました。暑さもあって、若者たちはかなり疲れた模様です。でも、農家さんは毎日これをするんですよ。「農業って大変なんですね~。食べ物大切にしなくちゃ」彼らの共通した感想でした。

そのほか、長勝寺の宿坊体験、北長沼小の子どもたちとの交流など、 地域の方々ともお知り合いになりました。毎日当番でご飯を作り、すっかり仲良くなった彼女たち。堆肥の切り返しや、鶏をさばいたりしたことはかなりショックな体験だったようですが、きっといい思い出になるでしょう。それぞれ故郷に帰り、ここでの経験を将来の生き方に役立ててくれたらいいな、と思います。
今回の共同生活および労働体験はスタッフ側にとってもいい勉強でした。「地球にやさしい生活」なんて簡単に言うけれど、そんな表層的でムードだけの言葉ではまるで伝わらないことだらけ。有限の資源をみんなでシェアしていくこと、どうやったらそれを実感しながら実践できるか、常に考えていかなければならない課題だと深く考えさせられました。
みんな、貴重な機会をくれて、ありがとうね!

2010年8月3日火曜日

イネの様子


イネの穂が実っています。今年は田植えが2週間くらい遅かったけれど、その後の高温多湿が利いて、春の遅れを取り戻しています。6月にはドロ追い虫にやられて葉が枯れたようになっていましたが、今はご覧のとおり青々としています。今年は除草も回数少なく、しっかりできたのでは、とみんな満足そう。

2010年8月2日月曜日

ガーデンの花たち

曇天のコモンハウスを、色とりどりの花が明るくしてくれています。先週の雨風では畑の野菜たちもかなりダメージを受けましたが、ガーデンの花は元気ですね。この花たち、見た目に美しいだけでなく、実用的な機能も持っているのです。

マリーゴールドはコンパニオンプランツの女王格で、いろいろな野菜と組み合わせることができます。一般的に線虫の駆除に効くと言われているのはアフリカンという背の高い品種で、農家は土中にすき込んでいるようです。ここで植えているのはフレンチ系で、どのくらい効果があるかはっきりわかりませんが、ガーデンの彩りに欠かせない花ですね。

右の写真はカレンジュラ。日本ではキンセンカと呼ばれていますが、英国ではイングリッシュマリーゴールドという名前で親しまれています。(中世の教会のお祭りで聖母マリアに捧げられたから)
皮膚や粘膜の修正を促すカロチンや殺菌作用のあるタンニンが含まれており、擦り傷、切り傷、手あれなどに効果があるようです。ヨーロッパでは昔からカレンジュラの花を摘み、乾燥させて、オリーブオイルに漬けて成分を抽出し、外傷やしもやけに用いたそうです。

エキネシア(写真下)は天然の抗生物質と呼ばれるほど、風邪やインフルエンザなどの感染症や、泌尿器感染など免疫力増強に効果があります。北米の先住民は、エキネシアをヘビに噛まれた傷に塗ったり、荒れた喉や歯痛に根の部分を使ったとか。英国では市販のお茶やキャンディーにもなっていて、風邪を引いたときによく薦められました。