2011年6月26日日曜日

初夏のマイガーデン

久しぶりにマイガーデンの登場です。マンションのベランダがコンテナでだんだん狭くなってきました。




室内での育苗期間が長く、徒長してなかなか花芽のつかなかったトマト(北の雫)もやっと花が咲きました。トマトの足元のカレンジュラ、こいつもひょろひょろになってしまいましたが、頑張っています。レタスや水菜、サヤエンドウはすでにサラダで食べていますが、来月になればズッキーニやパプリカなども収穫できそうです。それにしても、ちゃんと培養土を使ってセルに播種したのに発芽しなかったシソや唐辛子。こぼれ種が別のプランターで成長したりしているからおかしなものですね。 おっと、3階だと思って油断していたら、いつの間にか青虫やアブラムシが!

都市のちょっとした空間でも野菜や花を育てる時間と気持ちを大切にしたいと思います。どんなに忙しくても疲れていても、植物に水をやったり寒さや暑さから守ってあげたりすることで、自分の中の自然バランスがとれるような気がします。野菜があると、今度は調理する時間や食事の環境も整える必要があります。主人がちゃんとした生活をしているかを管理する管理人としてのマイガーデンかもしれません。

今日は札幌で秋山記念生命科学振興財団の社会貢献活動助成報告会がありました。エコビレッジライフ体験塾のフォトムービーが好評でした。

2011年6月19日日曜日

田んぼのその後

田植え後2週間目となる6月19日の体験塾は、田んぼの除草からスタートしました。

2回目なので、みなさん勝手もわかって作業はスムーズです。すぐに裸足になって田んぼに入り、両手で水底を掻きながら草の根を浮かせます。同時に、葉についているドロオイ虫なども除去していきます。

今回は、チェーン引きによる除草にも挑戦。チェーンの取り付けてある棒を引いてまわるのですが、随分作業も早く、思ったよりも稲にダメージはなさそうです。
こういうちょっとした道具で、仕事がかなり楽になることを実感できます。一方、這いつくばって稲に向き合うからこそわかることもあります。除草は稲の観察の時間でもあるからです。
視野を広く持って、「効率的にすすめていい部分」と「効率よりも重視すべきこと」を見極めながらやっていく必要があるのでしょう。

さて、稲の状態ですが、先週よりもドロオイ虫は少なく、かわりに藻が大発生していました。
水面を埋め尽くすように広がった藻が、日光を遮断して土が冷たくなっている部分もありました。使わせていただいて3年目の田んぼですが、こんなことは初めてです。いろいろな方に聞きながら原因を調べていますが、取り除いた方がいいのは確かなようですので、かき集めてはせっせと畔にすくいあげました。
今後も増え続けるようでしたら、ザルや網などで一気に取り除くことを考えた方がいいかもしれません。こまめに田んぼに足を運んで、できるだけ適切に対応したいと思っています。

アイヌの世界観と暮らし

6月の座学は「アイヌの世界観と暮らし」について。講師は北海道大学アイヌ先住民研究センターの北原次郎太先生。北原先生は白老の民族博物館から北大の准教授として昨年就任されましたが、生まれは東京、育ちは埼玉だそうです。(実は私も同じなのでびっくりしました)

アイヌ文化と一言で言っても、東北、樺太、ロシアなど各地で言葉も暮らし方も異なります。現代のいわゆる先進国では、機械やメディアの発達のおかげで、南も北も変わらず、どこでも画一的な生活を送っていますが、自然を基調にした暮らしは当然その土地の風土気候に左右されます。ボタン一つですべて同じ成果を出すような装置ではなく、シンプルな道具を用い、人間の側が腕を磨いていろいろなものを作り出すという、真逆の発想です。アイヌは狩猟民族と知られていますが、実は加工品を通した交易もかなりさかんだったことがさまざまな史跡からわかっています。彼らの活動は私たちの想像を超えて広範囲にわたり、異文化交流にも積極的でダイナミックに変化を遂げてきたようです。

アイヌ文化の特徴は「カムイを暮らしの中に招き入れる思想」と北原先生はおっしゃいます。植物や動物、自然界のあらゆるものにカムイを見出し、採取や利用を通して共生していく考え方です。西洋の文化は、人間界と自然界を完全に二分し、自然を一方的に支配したり保全したりする発想に基づいていますが、むしろ自然を積極的に活用しながら神として敬うのが先住民の伝統文化。昔のアイヌの人々は食べ物をはじめ、衣料、染料、建材、薬品など生活に必要なものを約500種の植物から手に入れたとか。山、川、海は経済活動の基盤でありつつ、しかしながらカムイへの感謝の気持ちがなくなれば失ってしまうものだったのです。




北原先生は、アイヌ民族の世界観をよく表しているいくつかの物語を聞かせてくれました。先進国の行き過ぎた開発や人間の過信を戒めるようなストーリーがとても印象的でした。北海道の持続可能な暮らしや社会を模索する上で、ヒントになる考え方だと思います。

2011年6月12日日曜日

今年も華やかにガーデン登場

お待ちかね、エディブルガーデンの定植です。 前回みんなで選んだ野菜や花の苗がずらりと登場しました。サンガーデンで作った寄植えコンテナも、こんもりと育ってガーデンのアクセントにぴったりです。




さて、肝心のガーデンデザインは、それぞれのブロック毎に各自レイアウトすることになりました。「仕切りのラインはパセリでいきましょう」「紫キャベツやスイスチャードはまとめて使ったほうが効果的」サンガーデンの土谷さんのデザイン指導を受けながら、「私はイタリアンな色合いで」「ブロッコリーは青虫がつくから、匂いの強いハーブと組み合わせ」とそれぞれ悩みながら苗を配置しました。まるで生け花のような感覚。最初、メインとなる野菜を入れ、次に空間を着色するように花を入れ込み、先生の手直しを待ちます。「角はきっちり決めて」「色や高さがあまりばらばらにならないように」なるほど、手直ししていただいたブロックはすっきりしていて美しいのです。



昨年はマリーゴールドやナスタチウムの黄・オレンジ色が基調でしたが、今年はサルビアコクシネアやペチュニアの赤・ピンクが主体、真ん中にジニアの白が入り、ちょっと大人っぽい雰囲気となりました。調べてわかったことですが、サルビアコクシネアがアブラムシの防除に効果があったり、ジニアやボリジがトマトの生育を促したり、園芸用の花も野菜のコンパニオンプランツとして使えるのですね。たとえばここではあまりよく育たないペチュニアですが、豆科の害虫駆除に効くので豆科のそばに植えるといいとか?もちろん、コンパニオンプランツの場合、効果が約束されているわけではありませんが、せっかくですから愛称のいいもの同士を組み合わせてみたいと思います。
昨年は下地や仕切りを作るところからスタートしたガーデン。おしゃれなガーデニングを想像していた参加者は、まるで土木工事のような作業にびっくりしました。今年は出来上がっている枠の中に苗を入れるだけだからさぞかし楽だろうと思ったらまたもや大間違い。4月末に粗起こしをしたっきりの土はまるで日干し煉瓦のような塊になっていて、いざ苗を植え込もうとすると剣先スコップでも砕くことができません。「この土で根付くとは思えない」という声も。



休みなしのびっちり3時間半の作業。は~、結構疲れましたね。


Coccoちゃんも作業に参加?こらこら、苗をつつくなよ。

6月12日 総合・田畑コース

6月12日の総合・田畑コースは、田植え後初の除草日でした。











1週間ではまだ、それほど稲の苗に大きな変化は見られませんでしたが、根が田の土に活着しているのは感じられました。
ただ、水面に顔を出しているのがほとんど稲だと言っても油断はできません。ちゃんと水底には草が伸び始めています。これを見過ごすと、翌週わんさか生えた草と対面することになるでしょう。
「芽は若いうちに摘んでしまうのね!」とは、少し年配の女性の参加者さん。
・・・その通りです。
そして、稲には早くもいろいろな虫がついていました。一番多いのは何と言ってもドロオイ虫。交尾中の虫が多数見られ、すでに卵も産みつけられていましたから、来週の田んぼ管理は虫取りに追われるかもしれません。



コモンハウスに戻ってからは、坂本先生の講義。今回のテーマは「共生する作物たち」です。
畑という環境において、作物同士はどのように共生関係を保っているのでしょう。
また土壌では、作物は何とどのような関係を持っているのでしょう。
土の中で作物が共生しているものの筆頭は、微生物。腐食を分解して作物の栄養を作り出してくれるだけでなく、根に寄生して大気中の窒素を取り込んでくれたり作物が生きるのに必要な様々な物質を分泌してくれたりします。
そんな、なくてはならない微生物が多く存在しているのは、地表から約30cmまでとのこと。それを実証するために坂本先生が10年間かけて作成した資料が、この写真の丸太です。
この丸太を土に埋め込んで10年後に掘り出し、どの部分が最も腐敗していたのかを調べてみたところ、やはり腐っていたのは30cmあたりまでで、それより下はほとんどきれいなままでした。
そして、最も朽ちていたのは上部10cmくらいまでやはり、そのあたりがもっとも微生物の活動が盛んな場所のようです。
そのような、微生物の活動などもイメージしながら栽培することで、どうすれば豊かで安定した生態系が作れるのかもわかってくるのではないでしょうか。豊かな生態系とは、多様な生物が生息しながらも、虫害や病気が少ない畑と言えると思います。

2011年6月5日日曜日

待ちに待った田植え!

6月4日、5日に、田植えが終わりました。


予定日より1週間遅れとなりましたが、今年もまずまずの出来だったと思います。いや、まずまずどころか、技術的には年々着実に進歩しているでしょう。特に今年で3年目となるHEPPメンバーの人たちは、阿吽の呼吸で、昨年の倍の面積(6a)をやってのけました。10名で、4時間くらい。 翌日行なった体験塾では、初めての方が多く最初は少し手間取りましたが、丁寧な作業で4a分を植えました。参加者14名で、所要時間3時間半でした。 天気は、4日は曇り時々雨。5日は快晴。4日はやや寒く風もありましたが、その分泥の中は慣れてしまうと暖かかったようで、「大丈夫!」とのことでした。今年も田植え日和だった、ということにしておきましょう。


さて、今年の稲の様子ですが、天候不順もあって、苗はやや小ぶりのようです。昨年のような6月の暑さがやってくると、一気に巻き返してくれると思うのですが・・・いかがなものでしょうか。こうなればもう、あとは天に祈るばかりとなります。 この後、2~3週間は、週1ペースで除草しつつ稲の観察を行う予定です。