2011年10月23日日曜日

美味しいお米までもう一歩

10月23日の体験塾は、前半では総合コース中心に収穫祭に向けた打ち合わせや作業、後半は総合・田墓コース合同での座学や稲の脱穀を行いました。

4月に始まった今年の体験塾も終盤に差しかかり、メンバー同士のつながりも深くなってきました。今回のようにグループで相談しながら行う活動も、お互いに声を掛け合いながら主体的にかかわって下さり、こちらも助かっています。
また、初めはあくまで「教育サービスの受け手」として参加した方々が、この収穫祭に向けた取り組みでは「迎える側」として力を発揮して下さったことも嬉しく感じました。

さて、今回の座学のテーマは『農薬』です。体験塾に参加されている方は、一般の人よりも有機農業や自然農に対する関心が強いかと思いますが、農薬や化学肥料の知識は案外乏しいかもしれません。いたずらに嫌ったり恐れたりするのでなく、正しい知識をもとに考えていく姿勢が必要との意図で、体験塾ではこのテーマを取り上げています。
世界的な農薬問題のきっかけを作った『沈黙の春』の著者レイチェル・カーソンにスポットを当てながら、この問題の本質がどこにあるのかをみんなで考えました。

最後は稲の脱穀。6月の田植えに始まり、除草や虫取り、藻の除去など苦労の多かった田んぼの作業もいよいよ最後です。はさがけして干してあった稲が良い具合に乾燥したので、体験塾前日にメノビレッジの機械で脱穀及び籾摺りをしてもらっていたのですが、そういった作業も手で体験しておきたいと考え、1割ほどを体験用に残しておいたのです。
最初は足踏み脱穀機で、稲の穂からモミを取り外しました。続いて、同じ脱穀作業を電動脱穀機を使って行いました。私たちは、こういった比較が重要だと感じています。もちろん電動は楽なのですが、電気がないと使えないし、量によっては足踏みの方が勝手が良かったりもします。また、わたし達が借りている田んぼ1枚、1反分をすべて手作業でやろうとすれば、それはかなりの時間と労力を要することになります。「できない」のでは意味がありません。電機や石油が「安いから」「高いから」もしくは「作業が大変だから」という理由で安易に機械化を計るのでなく、また近代の技術をすべて否定するのでもなく、あくまで人間の力を主体にしながら「適正な規模」での「適正な技術」を獲得していきたいものです。これまでの常識にとらわれずに、自分たちの考え方にあった技術を考え、探していくことが大切なのでしょうね。

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