2009年6月24日水曜日

0623 第4回座学「自然共生型汚水処理」

今日は北大工学部大学院の船水尚行教授をお招きして、講演とディスカッションを行いました。

私たち日本人は1人当たり1日200リットルの水(トイレのフラッシュは1回15リットル!)を使っているのに対して、アフリカには1日10リットルで生活している人たちがたくさんいる。そのような国では安全な飲み水がないだけでなく、し尿処理の仕組みもないため、下痢などの簡単な病気で死ぬ人が後をたたないのです。

そのような視点で水をめぐる環境を見ていくと、トイレは汚物の処理ではなくて、資源の回収装置だという先生の説は、驚きとともに感動を覚えました。下水施設は都市の衛生面向上に大きく貢献はしているものの、途上国ではもちろん、将来の維持管理を考えると、経済的な負担は非常に大きく、また資源の再利用という観点にはたっていません。燐酸などの物質は川に流せば環境にダメージを与えますが、上手に回収して農業で活用すれば有用な資源なのです。そのためには集めず(近場で処理)、混ぜない(分別)ドライトイレ(水を使わないコンポストトイレ)が有効だということがわかります。

先生の話は実に奥が深く、トイレの話から異文化理解、世界の貧困の撲滅と広がります。日本も江戸時代は人糞を売買し、農業に利用していましたが、当時の日本は完璧な循環型社会だったと言われています。これは家畜の少ない東アジア圏に特徴的な仕組で、汚物を排除する文化の欧米やイスラム圏にはない知恵だそうです。

エコビレッジでも目下コンポストトイレの研究中で、この夏製作を予定しています。このような小さな取り組みが、世界の貧困問題の解決や持続可能な社会を支える技術へつながっているのだと感じることができて、俄然気合が入りました。

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