2010年9月19日日曜日

種取り物語

体験塾の畑コースでは、4月から「タネ」を大きく取り上げてきました。『園芸教室』とは違いますから、「どのような種が良いのか」とか「上手く発芽させるにはどうしたらいいか」といった、「栽培する側(人間)の観点」から見た栽培技術だけでなく、「植物にとって種子や発芽がどのようなものであるのか」を一緒に学んできたつもりです。さらに、「在来種」や「固定種」と「F1品種」「一代交配品種」の違い、何故自家採種を大事に考えるのか、などについても考えてきました。

今回の畑実習では満を持して「種取り」を行いました。
アブラナ科など二年草のものは難しいため、トマトやキュウリなどの果菜類のみの採種です。 採果してから10日ほど追熟させた実を割って、ゼリーに包まれた種子を取り出します。本当はしばらく発酵させた方がゼリーを洗いやすいのですが、十分熟れているので大丈夫と考えてトマトについてはそのまま選別(水に浮いてくるものを除去)し、洗って乾燥させました(キュウリのゼリーはやはりそのままでは取れなかったので、2日後に洗いました)。

豆類はもちろん、果菜類の採種も意外と簡単です。難しい技術はいりません。もちろん、タネ用にする株や実を選んだり大事に熟させたりという手間はありますが、ちょっと注意すれば誰にでもできることですし、自家採取を繰り返すことで自分の畑の環境や土壌に合う品種、自分の好みに合う品種を自分で固定していくことができます。

今回の種取り実習ではトマトの種を乾燥させるところまでしかできませんでしたが、畑コース終了時には、今回エコビレッジライフ体験塾の圃場で育てた作物のタネ(キュウリ、ナス、ピーマン、豆類など)をそれぞれお持ちいただく予定です。

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