レイさんの講義に続いて、先月の座学「自給の意味」をお話いただいた明峯哲夫先生のお薦め映画「不安な質問」を鑑賞しました。何を隠そう、明峯先生らが1970年代に茨城で取り組んだ「たまごの会」のドキュメンタリー映画です。
自給農場を作ろうと、茨城の農村に松林を切って開墾し、家を建て、共同生活をしながら野菜やコメを作り家畜を飼い、東京の会員宅に配送する。東京の会員は彼らの生産したものをあますところなく食べてその残飯を返す。そんな生活が生き生きと描かれています。豚の頭を美味しいねと食し、山のような残飯が大なべでぐつぐと煮られて豚の餌になるシーンは圧巻です。
この農場では、レイさんの言う「生産者と消費者の壁」がないことに気づきます。両者は互いに相手がいないと成り立たない存在であり、栽培から経営のすべてを共有しています。健康食品の店で有機野菜を買うだけでは、まだまだ消費者としての立場を変えることにはならない。より積極的に一歩踏み込んで生産の現場に近づくことが重要。そして、出来上がったものを工夫しながら上手にいただくために都市住民がライフスタイルを変革していくことが必要だと感じました。
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