2011年7月17日日曜日

今ホットなテーマ「コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス」

今回のテーマはエコビレッジが最も苦手とする「ビジネス」。講師は国際大学観光学部教授で、北海道コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス協議会の副会長、吉岡宏高先生です。
株でもうけて六本木ヒルズに住むエグゼクティヴが憧れだったひと昔前の若者に比べて、最近では「いい社会の実現」にやりがいを見出す「コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス」が学生の関心の的とか。とても頼もしい話ですね。元気がないと言われる若者ですが、「お金」や「名声」よりも、弱者をサポートしたり、自然や文化を守ることに生きがいを感じてくれるなら、そんな社会には希望があると思えてきます。「24時間働けますか」なんてCM(古過ぎ?)にもあったような非人間的な暮らしではなく、自分のペースでのんびりと、という志向も強くなっているのでしょう。

「収入半分、ストレス半分」とは吉岡先生の言葉ですが、実際、私は役人を辞めて収入は半分以下になりましたが、ストレスフリーに近い生活を楽しんでいます。もっとも、「地域や弱者のための」仕事でなかなか稼げないのも世の事実です。それに、自分のやりたいことを実現するためにはのんびりしているわけにはいきません。正直、「休日」もなくなりました。でも、やっていることが好きだから「休みたい」という欲求もなくなったし、ストレスがなければ発散のためのお金も必要ないので問題はないのです。
ひたすら上司の文句を言ってる人や過酷な労働とストレスで健康を害している人を見ると、さっさと辞めてしまえばいいのにと心の中で思ったりします。でも、もうけなくてもいいけれど、自分が自立していくための必要最低限の収入は重要です。NPOだって、非営利、非分配が原則ですが、働いた分に対しての対価は当然認められるし、そのためには、戦略も組織マネジメントも求められます。「売るべきもの」と「売れるもの」を見極めるバランス感覚が大事という先生のお話に、全くだと思いました。NPO業界では「売るべきもの」に見方が偏り、いわゆる一般ビジネスでは「売れればいい」という発想だけになりがちですが、そのバランスがとれていれば、形態は何でもいいんですよね。

今日はビジネス立案を体験するグループワークに挑戦しました。エコビレッジを舞台に「学び」や「ツアー」をテーマにしたビジネスを考え、コンセプトや手法をまとめて発表しました。短時間にも関わらず、なかなか面白い案も出ていて感心しました。参加した人々は「考えを文字や図に表すことで、頭の中が整理された」「人と意見を交わしながら作っていくのが面白かった」と楽しんでいたようです。表現するプロセスで考えが深まったり、他人の意見に触発されて新しい発想が芽生えたりもします。NPO的な組織では、既存の会社組織や行政のようにトップダウン方式での意思決定ではなく、このようにインタラクティブに刺激しあいながら、構成員が主体的にかかわらなくてはいけません。そのための話し合いの方法なども大切だなと思いました。

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