2011年7月17日日曜日

コンポストは、「還す仕組み」




17日(日)総合コース。最初のテーマは、「堆肥・コンポスト」。
どちらも良く聞く言葉なのですが、実は曖昧としていて解釈がわかれていたりもします。そこで、バイオトイレ(写真左)やミミズコンポスト(写真右)、生ごみ用の段ボールコンポスト、屋外に積んである稲わら堆肥などを紹介し、実際に作業もしていただきながら、その原理や目的を考えてみました。

「堆肥=コンポスト」ととらえることもありますが、一般的には「コンポスト」は生ゴミや汚泥などの主に都市生活から出る廃棄物を処理することを目的とされるようです。バイオトイレ(コンポストトイレ)などは完全に「処理」を目的としたものですね。堆肥の方が、やや広義な言葉なのかもしれません。
ただ、本来の堆肥が植物由来の材料を使うのに対し、コンポストは場合によってはすべての残渣を処理したりもします。コモンハウスで使っている段ボール堆肥では、むしろ肉魚を投入した時の方が熱が高くなって早く処理されるという面もあります(入れすぎるとハエがわきやすくなるので良くありませんが)。

さまざまな方法、技術があって「難しい」「どれをすればいいのかわからない」、もしくは「材料として○○がなければならない」と考えてしまいがちですが、大事なのは「仕組み」を知ることなのだと思います。その「仕組み」を単純に言えば、「微生物(もしくはミミズなどの生物)が食べて分解してくれる」ということ。バイオトイレも稲わらの堆肥も段ボールコンポストも、そして町の大きな生ごみ処理施設も、結局は同じ原理なのです。
そして素晴らしいことに、分解されて残ったモノは、必ず次の生物の糧となります。つまり、堆肥やコンポストが畑やプランターの植物、作物を生かしてくれるわけです。人糞や生ごみを直接プランターに入れると悲惨なことになります(!)が、微生物などに分解してもらったものなら大丈夫。マンションのベランダでだって問題なくなります。

これは、つまり自然界の縮図でもあります。
山の草木の枝や落ち葉、野生動物の死骸から糞までを虫や微生物が分解して土に還し、植物が生きる糧にする。すべてが無駄なく、意味を持ち、循環していく。それが自然の姿。堆肥やコンポストは、疑似的にそれを行うものなのです。

人糞から生ごみまで、そのままでは困りものの廃棄物を「生命の循環に還す」のが堆肥やコンポストであり、その役を担ってくれているのが微生物たちである、と知ることが、まずは重要なのでしょうね。

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