2011年4月2日土曜日

種を蒔こう!

昨年はコモンハウスの寒さと日照不足で苦労した育苗。今年は縁側のデッキを利用して育苗室を作りました。

ビルダーの千葉さんとスタッフの伊藤君が2月の猛吹雪の中、苦労した甲斐あって、室内は日がさすとぽかぽかの温室です。
さらに、伊藤君得意の発酵技術を活用して温床を作りました。去年の米づくりで発生した稲わらや籾殻、田中豆腐店のおからなど材料は身の回りのものばかりです。スタイロフォーム(発砲ポリエチレン)で箱を作り、温床の上に苗を並べて夜は蓋をする。これで外気温は氷点下でも20度をキープすることに成功。ただし、昼間は蓋を開けないと40度くらいまで温度が上がってしまうので要注意ですが。
詳しくは管理人ブログをご覧ください。 育苗室のおかげで今年の苗は順調に育っているようです。坂本先生の北の雫(トマト)も元気そう。

未曾有の震災の影響で、世間は自粛ムードです。今も極度の混乱、不安の続く被災地の人びとに対して、何もできないのは申し訳ない。私もせいぜい募金をしたり、チャリティイベントに参加したりしかできなくて、情けない気持ちになります。

正直、こんなときに呑気にエコビレッジなんてやってていいのかな、と思ったこともありました。でも、みんなで暗い顔をして下を向いていても事態は好転しません。そして、この震災で私たちが何かを学び、将来に向けて決意するべきことがあるとしたらそれは何か。自分なりに改めて考えてみました。


被災地への支援活動は当然急務ですが、今回の復興が長期的になることを予想すると、今エコビレッジが目指しているものを実現させること、つまり持続可能な食や農、地域で支え合い、少ない資源を分かち合うコミュニティの創造が今ほど求められている時代はないのではないか、と思うのです。そのミッションを意識しながら、この季節、今この時に必要なことをやらなくては、そんなふうに感じています。
この季節は1年に一回しか巡ってこないのですから。


「でも、結局原発がなきゃ困るんでしょ」

こんな状況を目の当たりにしても、まだそんな発言をする人もいます。
それなら、原発に頼らなくても、弱い人や地球を犠牲にしなくても、少ない資源で十分安全で豊かな暮らしができることを具体的に示しましょう。アプローチの仕方、創意工夫によってそれは決して惨めで苦しい生活ではなく、思いやりの心に満ちた、創造的で人間らしい生き方にすることができる、と私は信じています。

そうなると、まずは種まきですね。 関東以北の農地が受けたダメージを考えると、北海道の耕せる場所はすべて耕さなきゃ、と言っても過言ではないでしょう。
エコビレッジも、これまでは体験だからと生産性は度外視していましたが、食べ物もエネルギーもすべて他人に依存していた仕組みをできるだけ自給的生活にシフトしていくとしたら、やはり技術もレベルアップしなくちゃいけないなと思います。

今年は頑張るぞ。小さな小さな種から芽が出て、少しずつだけれど日に日に成長している様子を見ていると前向きな気分になりますよ。 放射能の怖さや、原発の問題性を知ることはもちろん大切ですが、知った人びとはただちに行動すべきです。

今、動けない人たちのためにも動ける人は精一杯動きましょう。 みなさん、一緒に種まきしませんか。

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