2011年9月5日月曜日

9月10日(土)~未来を壊さないエネルギー~田中優さん講演会 修了

3月11日の東日本大震災以来、日本中が悩んでいるテーマです。原発の危険さ、放射能の怖さ、補助金に依存しないと成り立たない過疎地の経済、他人の弱みに付け込んで大金を稼ごうとする大企業や政治家・・・。何一つポジティブな話はありません。考えるほど腹がたったり失望したり、気分の落ち込む話題です。個人的に、原発はもちろんNOです。悪いものに反対していく姿勢は大切です。でもNOだけ言い続けていても閉塞感が増すばかり。不安がつのって根も葉もないデマにまどわされて他人を差別したり、自分だけ助かりたいという行動に走ったりする危険性もあります。多くの人が不安を抱きながら、それでも自分を変えられないと思うのは、環境や弱者に優しいエネルギーや社会の姿を具体的に描けないからでしょう。原発や化石燃料に頼らない社会は、実際どのように成り立つのでしょう。それは惨めで暗い社会の到来ではない、と私は信じています。それは、たとえば今と同じように1年中好きなものを好きなだけ食べる自由は許されないけれど、安心安全な食に恵まれ、地域が自らの資源や文化を取り戻し、活力あふれた世の中になるのだろうと想像します。

9月10日は、田中優さんをお招きして、そんな次世代のビジョンと具体的なアクションプログラムについてお話していただきました。講演会に集まったのは学生から高齢者、企業人、小さい子どもを連れた母親など158人、普段のセミナーと比べて幅広い層の参加が特徴的でした。このテーマに関する人々の感心の高さがうかがえます。

2時間という短い時間の中で、福島原発や被災地住民の状況から、原発に依存しない社会が可能であること、そのための具体的な方策が語られました。現状の法制度上では即実現はしないところが歯がゆいけれど、まずは「できるんだ」とみなが信じることが大切です。参加した一人が送ってくれた感想は「優さんのお話はいつも最後に希望があっていいですね。あとは自分が何をできるか、なにをするか。しっかりアウトプットしなくては」そう、後は私たちの行動次第だと思います。

確かにここまで複雑に絡み合い大規模に歪んだ社会は、システムを変えない限り変わらないでしょう。しかし、迷える人々をリードし、システムの変革を導くためには、要望陳情やデモだけでなく、勇気ある実践が不可欠だと思います。つまり、食やエネルギーを自給しながら大規模電力発電に依存しない暮らしが実際にやってみせること、「へえ~、そんな風にできるんだ。あっちのほうがお金もかからないし、楽しそうでいいじゃん」と人々が選択できる社会をリアルに提示することができれば、その実現を早めることができるのと思います。エコビレッジは、個人のライフスタイルを超えて「権力を握らずに社会を変える運動(糸長)」であると改めて思いました。

0 件のコメント:

コメントを投稿