2010年8月2日月曜日

井戸堀り隊

畑作業のために屋外で水が自由に使えたら便利だなあ、と思っていたら、にわかに井戸を掘ろうという動きが始まりました。もちろん業者に頼んでボーリングなんてする気は初めからなかったのですが、私はどうやってもユンボかスコップのイメージを描いていました。ところが現れたのは塩ビパイプ(50mm)をつないだだけの掘削機。先端にゴムの弁が1枚付いていて、パイプを押し込むと土砂が入り、パイプを引っ張ると弁が閉じて土砂を地上に取り出すことができるようになっています。
石にぶつかったら?
はい、残念でした、そこまでです。ひえ~、それって気の遠くなるような作業じゃん。

ところが結構掘れるんですね。たまたま掘った場所がよかったのか、腕がよかったのか、7~8時間の作業で5メートル近く掘れました。
(この作業効率は、実はかなり良好なようです。同じ方法で、1日かけて1mも掘れなかったという方の話も後日聞きました)

すでに水も湧いているようですが、この水が果たしてどこからどうやって出てきているのか、使用に耐えるのかはまだわかりません。
もうしばらく掘って様子を見ることになりました。
これからどうなることか、楽しみです!

2010年8月1日日曜日

0725 循環型生活を支えるコンポスト

食べるものは無農薬や無添加にこだわる人は増えても、排出するものに意識する人はどのくらいいるでしょうか。「臭いものには蓋」が一般的な傾向ではないでしょうか。しかしながら、自然の循環サイクルには動植物の排泄物およびそれらを分解してくれる分解者(ミミズやダニなどの小動物、菌類などの微生物)が欠かすことのできない存在なのです。

水洗トイレが当たり前の時代、コンポストトイレなんて酔狂なヤツラの発想、と思われるかもしれませんが、人間の排泄物もところ変われば大切な資源。エコビレッジでは、コンポストトイレを循環型ライフの基礎として、排泄物を低コストで衛生的に処理するだけでなく、成果物を作物栽培に活用できる点に着目しています。江戸時代に人糞を売買して、畑で肥料にしていたことはよく知られていますが、あれこそ完璧な循環型のシステムだと言ってもよいでしょうね。これは家畜が少ない東アジア特有の畑作の知恵だったそうです。(北大大学院工学部船水教授)

もちろん、社会背景は江戸時代とは大きく異なるので、ただ逆戻りをしようと言っているわけではありません。近代化が進んだ21世紀には、それなりにインターフェースを考慮したデザインが必要だと思います。抗生物質など、昔はなかった問題も抱えています。人口密集地や不特定多数が利用する公共施設などには下水処理が必要なことは間違いないでしょう。しかし、農山村の家族利用や利用者の少ない夏季利用限定の施設などには、むしろ積極的に活用されるべきではないでしょうか。 最近では、市販のバイオトイレも各種出ていますが、上手に固体と液体を分けてコンポスト化を促進する仕組みができれば手作りでも十分いけます。(写真:自作固液分離便器)

今日はトイレの講義に引き続き、コンポストづくりの実習をしました。コンポストにはいろいろな仕組みがありますが、自分のライフスタイルや周囲の環境にあわせて応用しましょう。稲藁や米糠などの材料がふんだんにあり、敷地が広く、切り替えしの作業もできるならホットコンポスト(発熱型)が分解も早く、肥料としても高価値ですが、都市住民には材料もスペースも確保できないのが普通です。それでも、生ゴミは必ず出るはず。庭があればミミズコンポスト、なければダンボールでもコンポスト化は可能です。わざわざ遠くから材料を買ってこなくても身の回りにあるもので作るのがエコロジカルで長く続くコツです。

今日は昨年の稲藁、メノビレッジの鶏糞、田中豆腐店のおから、山からとった土、道端のコンフリー(ムラサキ科ヒレハリソウ属、コンポストの発酵促進剤として有効)で作りました。ラザニアを作るようにそれぞれの層を重ねて、最後に上から水をかけます。隣には昨年、同じように作ったものが山になっていますが、それも切り返してやりました。なかなかいい感じに分解して、きっとこの秋には畑へ入れられるでしょう。

ミズコンポストにも挑戦しました。コンポストに適しているのは、シマミミズという赤くて細いヤツです。ミミズ糞は、窒素、リン、カリの高バランスな肥料で、かつ多くの微生物を含むため、土壌の団粒化などを促進する土壌改良剤としても有効です。しかも、多孔質でガスを吸着するため臭いが発生しにくいという優れもの。土が乾燥しないように、またミミズの分解量を超えて生ごみを投入しないように気をつけます。
ミミズは一日に体重の半量の生ゴミを食べると言われ、微生物だけで有機物を分解しようとすると1ヶ月から半年、長ければ1年かかるのに、ミミズの体内で消化してもらうと1日でできあがるのです。ミミズってすごい!

2010年7月29日木曜日

0724 「自然エネルギーを活用した農的生活」

第4回目の公開座学では、メノビレッジの荒谷登さんにご講演いただきました。
荒谷先生は北方系住宅の熱環境について研究され、外断熱や基礎断熱など住環境の改善推進を牽引する研究者です。同時に、メノビレッジの家族としてみずから農作業に関わり、セミ・セルフビルドで住宅の改築をされる実践者でもあります。収穫野菜を新鮮に保存するための氷床式冷蔵庫や、6月半ばまで残っている雪の断熱力を活かしてジャガイモ貯蔵などの装置も建設されています。ビニルハウスのパイプに断熱材(スタイロフォーム)をはめ込んだ貯蔵庫は見た目よりもかなり頑丈で、施工も簡単そう。実は、メノビレッジではこの貯蔵庫で、収穫からほぼ1年たった今でも昨年の芋をおいしく食べているのです。

私たちのところでも、昨年野菜の保存に挑戦しましたが、どれもあまり上手くいかず、保存が意外に難しいことを実感しました。地面に生けた大根や白菜は確かに長期保存可能ですが、高く積もった雪の中から取り出す作業は容易ではなく、また雪解け時期には浸水して野菜が傷んでしまいました。また、乾燥の不十分だった穀類や豆類は、家の中に置けばネズミの害にあい、密封するとかびたりして保存に苦労しました。自給自足的な暮らしを目指すには、栽培技術だけでなく、保存や加工、調理などの技術、そのために、本州で農的暮らしの一旦を担っている土間のような(北海道の寒さには馴染まないということでしょうか、消えてしまいましたが)室温の備わった作業スペースは慣用だと実感します。

荒谷先生は、寒地建築の知恵を、北海道の一次産業に活用できないかと工夫されているだけでなく、高齢者も若者も農村で生き生きと働くために、一次産業のワークシェアや協働のコミュニティについても提案されています。そのような助け合いの精神と仕組みは、実にエコビレッジのベースでもあり、荒谷先生のメノビレッジでの取り組みは、建築技術から派生してさまざまな点で示唆に富むお話でした。

2010年7月21日水曜日

0718 ガーデンお色直し

4月から手がけてきたエディブルガーデン、花も夏野菜もおおむね良好に育っています。キャベツがアオムシのアタックを受けて穴だらけですが、それでも私たちの食べる部分は若干確保できそうです。

さて、このガーデンで最大の課題となっているスギナの除草ですが、今回はサンガーデンの土谷さんの指導をいただき、床の天地返しをしながら根っこの間に入ったものも丁寧に取り除いてやりました。地上部だけを搔いてもすぐ復活しますが、こうして長い根を取り除けば、3回分の除草の手間が省けるそうです。

レモンバームはついでに株分けもしてやりました。本来は2~3年目に行う作業ですが、ここの土は見た目よりも養分があるのかすでに大株に育っているので、根の大きさにあわせて上部の葉もさっぱり切り戻してやりました。

コールラビやレタスは収穫し、空いたスペースにはスイスチャードや赤シソを入れました。スイスチャード(アカザ科)は味や食感は決して美味とは言えないハード系の野菜ですが、耐寒性があり虫にも強く、茎が鮮やかなピンクや黄色で、魅せるキッチンガーデンにはぜひ欲しい一品です。そのほか、エキネシアやミニヒマワリも加わってますます彩り豊かになりました。

ランチはガーデンの実りをふんだんに使ったオープンサンド、豆乳チャウダー、パエリアというメニュー。ガーデンの真ん中に大テーブルを置いて優雅にいただきました。サラダに散らした黄色とオレンジのナスタチウムは見た目に可愛いだけでなく、食用として胃腸の機能を高めたり、貧血改善にも有効だと言われています。辛いのでたくさんは食べられないですけどね。
食後のハーブティーはカモミールとレモンバームに、なんとスギナを加えた「えこびれガーデン」オリジナルブレンドです。レモンバームの風味とカモミールの香りにプラスして、スギナは高血圧や心臓病にもいいといいますから、まさにヘルシーなお茶ですね。みなさん、健康のためにたくさんスギナを収穫していってくださいね!

2010年7月13日火曜日

0711 ガーデンに舞い降りた宇宙人


コールラビはドイツ語でキャベツとカブを合わせた呼び名。

名前のとおり、アブラナ科のキャベツとカブの両方の性質を備えているようです。見た目はカブっぽく味もカブに似ているけれど、食べる部分は茎に相当し、食感はキャベツやブロッコリーの茎のような感じです。

外観が宇宙人的なので、「どうやって食べるのかしら」と思わせますが、基本的にカブを料理するようにスープや煮込み、サラダに使えます。

身の割れたコールラビはまるでウーパールーパー?
あまりに可愛かったので撮影してみました。
ガーデンではコールラビのほか、レタス、ズッキーニ、キュウリ、インゲン、ししとうが収穫されました。トマトも色づき始めています。
これからどんどん収穫が期待できそう・・・。

0711 畑の教室

家庭菜園が人気の昨今、本屋に行けば野菜栽培のガイドブックはたくさん並んでおり、「あれをしなさい」「これをしなさい」と懇切丁寧に教えてくれます。どうも作物の調子が悪いと思ったらホームセンターに行けば「○○には××を与えて」と言われ、ついいろんなものを与えてしまいますが、果たして本当に必要なの?と疑問に思うことも。今回は、夏野菜の手入れの中でも何か必要で何が不要か、という具体的な方法について坂本先生に伺ってみました。

結論。先生曰く、「適正な技術は『何のためにどのようなものをどれだけ作りたいか』に寄る。そして何が必要かは作物とよく相談して決めなさい」ということでした。

たとえば、一定の時期に質のそろったものを収穫したければ、プロ農家のような技が必要ですが、自給用であれば多少の大きさのばらつきは問題ないし、収穫時期だってずれていたほうが常に新鮮なものを食せてベターだったりするわけです。販売用としての作物の場合、出荷作業や運搬などいろいろなことを考慮した質が要求され、それにあわせた機械や保存施設を持っていますが、自給ファーマーの私たちにはその環境も必要性もありません。それぞれの栽培目的や環境に合った作り方があるはずです。

自然農では基本的に農薬はもちろん、肥料や資材も極力使わず、自然の力やバランスを活かした栽培をします。しかしながら、それは「何もせずに放っておく」のとは異なります。「収穫がなくてもよい」なら別ですが、年間を通じてできるだけ自給しようと思ったら、作物の成長にあわせた適当なタイミングで適当なケアは不可欠。たとえば、通風や日照をよくするための最低限の除草や整枝は必要です。トマトも野生種は地這いの多年草だし、芽かきをしなくてもできますが、品種改良をした今のトマトは、やはり適度に整枝してスペースを作ってあげたほうが、病虫害を受けにくく熟すのも早いそうです。一方、ジャガイモは芽かきをすると大きな実が少数取れるけれど、いろいろな大きさがあっても構わない人には不要な作業と言えます。

できるだけ上手にたくさん収穫したい。それが高じて「もっとたくさん」と欲を出すことは禁物。堆肥を入れれば実りも期待できるけれど、いくら有機と言えども窒素過多になって生理障害を起こしたり、害虫を招いたりする弊害もあります。また、自然農薬だって多様すればやはり微生物のバランスを崩す危険性もあるそうです。

「有機や自然農だからと言って、収量が半分でもいいとは思わない。種の生命力をきちんと引き出してあげれば、十分な収量が得られる。(実際、先生の畑では慣行農家と同程度かそれ以上の収量をあげています)ただ、その土地にふさわしい収量を心得、あまり欲張ったり人間の都合に合わせようとすると失敗します」と坂本先生。

微妙な自然界のバランスを知り尽くし、作物や土の中の微生物たちの視点で最小限のケアをしてあげる、その恵みを謙虚にいただいて自給自足する先生の技の深さにはいつも感心させられます。
今日は1期生の自主研究農場を観察し、アドバイスをいただきました。
「全般的に過保護ですね。マルチは霜害には有効だけど、地温を高くしすぎて微生物を殺してしまう危険もある。藁も土に返すことを考えたらもっと薄く引いたほうがいい。自分と作物という関係だけでなく、作物と土や他の生き物との関係をよく見てください」と先生。

2010年7月8日木曜日

0704 ガーデンの様子

田んぼの虫が元気ならば、当然ガーデンの虫達も元気です。

遠目には美しく見えるガーデンですが、油断をしているうちに、あっという間にすっかり葉っぱのなくなったコールラビ。この馴染みない宇宙人のような野菜、やっぱりアブラナ科(キャベツやブロッコリーと同じ)だということが、アオムシやコナガの大好物になっている様子でよくわかります。他のエリアではこんなに大発生していないのに、このままでは全滅という勢いです。この区画は未熟と見られる堆肥を入れたので、その影響が考えられますね。丹念に除草している分、作物が標的になっているのかもしれません。
共有の精神は大切とはいえ全滅は許し難いので、ムシを取り始めたら、10株程度の作物に100匹近く見つけました。防虫効果を期待して、ヒトデの抽出液も撒いてみます。アブラムシやワラジムシには効果があるようですが、毛虫系はダメかなあ。

もちろん、スギナもきれいに取ってやりました。(あ~、この戦いいつまで続くのでしょうか・・・)作物がこれだけ生長しているのでスギナが邪魔になることはもはやないのですが、ここはガーデンとしての美観を優先します。
最後にレタス、パセリ、バジル、レモンバームを収穫しました。レタスはランチのサラダにしていただきましたが、みずみずしくて美味しいです。コールラビも試食してみましたが、味のないカブみたいでした。ズッキーニはもう一息。これからは次々と収穫の楽しみがありますね。
午後は凄まじい雷が鳴ったと思うとまもなく豪雨がやってきました。一部の作物には強すぎる雨でしたが、しばらく暑さで疲れていた野菜や花たちにはがっつり喉を潤すチャンスだったでしょう。