2010年6月17日木曜日

0613 畑の教室

坂本先生の今日の講義は土の話。

今では一般の慣行農家と質量ともに上回る生産を誇っている先生の恵子ガーデンですが、最初は火山灰で、スギナだらけの痩せた土地だったそうです。10年くらいは堆肥やぼかしなどを入れ、病害虫が発生したりする経験を経て、20年前から無施肥に変えています。有機堆肥と言えども十分に分解したものでなければむしろトラブルのもと。やり過ぎれば化学肥料の多用と同じく、養分過多の障害も出ます。作物は投与した窒素の25%しか活用しない。50%は水や大気中に流出、残りの25%は土中に残留するのだそう。だから、毎年同量の窒素を与えれば、土の中にどんどん溜まっていく、そして地下水に流れたものは、川を汚染するというわけです。
もっとも、最初から無施肥ではやはり無理もありそうです。そこの土と選ぶ作物にも寄りますが、まず販売されている種は化学肥料や農薬を前提に品種改良されたものだという理由も大きいです。坂本先生は長年自家採種して土地や環境にあった品種を作ってきたからこそ、無施肥でも収量が落ちないのでしょうね。
「でも与える肥料を半分にしたら、作物の利用できる量が半分になって足りなくなりませんか」

そこが植物と土の世界は複雑怪奇で、単純な比例計算では算出できないようです。作物が、周囲の養分を吸い上げる力や、土の中にある養分の形状などさまざまな因子が絡み合っているのです。

上の写真はトマトの根っこの標本。実に3.5メートルありました。それだけ深いところから養分や水分を得る力を作物が持っているんですね。それにしても、3.5メートルの根っこを掘るという作業を考えただけでも気が遠くなりそうです。
右はおにぎりの写真。ん?おにぎり?
正確に言うと、おにぎりに酢をまぶして酸性にしたものと、灰をまぶしてアルカリ性にしたものを土の上に4日置いたものです。酸性おにぎりでは納豆菌が、アルカリおにぎりではこうじ菌がそれぞれ活性し、発酵しているのがわかります。2つの容器の土は山からとってきたものとウチの畑のもの。ほとんど変わりがありません。
ウチの畑は粘土質で扱いが難しく、好天が続くと表面が割れるほど乾燥していかにも「貧相な土」に見えるのですが、坂本先生が、「土にいい土も悪い土もないんですよ」とおっしゃるとおり、見た目じゃわからないけど土中の微生物はちゃんと生きているんですね。やっぱり先生の言うとおり「いい土にするのは使う人間次第」なのかも・・・。

講義の後はいよいよトマトの定植。おっと、Coccoちゃんは手伝いに来てるのか、それとも邪魔しに来てるのかな?ぼかし肥も作りました。この解説は製作者の22世紀型野良人ブログに譲ります。


午後は田んぼの草取りをしました。今週の高温のせいか、たった1週間でイネもがっちりしてきたけれど、雑草もしっかり出てきています。まだたいしたことはないように見えますが、ここでしっかり取っておくと後が楽なんです。
それにしても、いつにもまして内容濃い教室でしたね。みなさん、暑い中、ご苦労様でした。


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